国家総合職の官庁訪問とは?日程・倍率・落ちる理由・対策を元職員が解説

国家総合職の官庁訪問とは

国家総合職の官庁訪問とは、人事院の試験合格後に各省庁で実施される面接試験で、志望省庁で働くために必須の選考プロセスです。

一方で、「官庁訪問の全体像や流れが分からない」「落ちる理由や評価項目が気になる」など、疑問や悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、元国家公務員の筆者が、国家総合職の官庁訪問の概要や日程、難易度・倍率、落ちる理由、必要な対策などについて経験を交えて解説します。

官庁訪問を突破して国家公務員として活躍する夢を実現できるよう、ぜひ最後までご覧ください。


その他の採用区分について以下の記事を掲載しています。

※本記事はあくまで個人の見解をまとめたもので、組織としての方針とは関係ありません。

目次

国家総合職の官庁訪問とは

国家総合職の官庁訪問とは、人事院の国家総合職試験後に行われる面接で、合格者と各省庁をマッチングする仕組みです。

各省庁は官庁訪問の中で、訪問者が各省庁で活躍できる人材であるか、志望度はどれくらいかを多くの面接を通じて見極めます。

一方、訪問者は自身の志望度や経験をアピールするのはもちろん、面接を重ねる中で志望省庁をさらに深く知り、最終的に入省する省庁を判断することがポイントです。

国家総合職の官庁訪問を民間の面接と比較した際の特徴には、以下が挙げられます。

国家総合職の官庁訪問の特徴
  • 面接官が省庁の業務や魅力を紹介する業務説明の性質を持つ
  • 人事担当だけでなく、現場の職員が面接を行う機会が多くある
  • 数日間にわたり計10数回の面接が行われるなど、マッチングの精度にこだわっている

特に、内部の職員の視点として、優秀な学生に少しでも自らの省庁に魅力を感じてほしいと考えている点は押さえおきましょう。

参照:人事院「総合職試験 官庁訪問」

【2024年】国家総合職の官庁訪問の日程

国家総合職の官庁訪問の日程は例年2月頃に発表され、夏と冬に計2回開催されます

2025年に実施される官庁訪問の日程は、現時点で公表されていません。

ただし、毎年開始時期に少しずつ日程変更があるものの大きくは変わらないため、直近の実績を確認して日程感をイメージしておくことが重要です。

ここでは、国家総合職の官庁訪問に関する直近の日程として、2024年の情報を紹介します。

夏の官庁訪問は6月12日にスタートした

人事院の発表によると、2024年夏に行われた国家総合職の官庁訪問の日程は、以下のとおりでした。

【2024年夏】国家総合職の官庁訪問の日程
出典:人事院「2024年度版 官庁訪問ガイド(総合職春試験)」

2024年夏、国家総合職の官庁訪問は、人事院の試験に最終合格した後の6月12日からスタート、訪問する省庁への事前予約は6月3日9時~6月11日17時の間に行われました。

また、面接の期間は以下のとおり4クールに分かれており、6月12日から6月24日の間に志望省庁をクールごとに1回ずつ訪問し、最後まで残れたら内々定です。

【2024年夏】国家総合職の官庁訪問のクール
出典:人事院「2024年度版 官庁訪問ガイド(総合職春試験)」

2025年の国家総合職の官庁訪問も、大幅な変更がない限りは、おおむね上記のような日程で進むものと考えられます。

冬の官庁訪問は12月16日にスタートする

人事院の発表によると、2024年冬に行われる国家総合職の官庁訪問の日程は、以下のとおりです。

【2024年冬】国家総合職の官庁訪問の日程
出典:人事院「2024年度版 官庁訪問ガイド(総合職教養区分)」 

2024年冬、国家総合職の官庁訪問は12月16日からスタート、訪問する省庁への事前予約は12月12日9時以降に行われます。

なお、冬の官庁訪問は夏と同様に翌年度4月採用の職員向けの選考です。夏とは異なり採用の不足分を補う程度であり、省庁によっては採用がない点に注意する必要があります。

また、そもそも冬の官庁訪問は受験者数が少ないため、夏の官庁訪問と比べて一日あたりの拘束時間や訪問日数が少ないこともポイントです。

国家総合職の官庁訪問の面接内容と流れ

国家総合職の面接には、主に人事課面接(秘書課面接)と原課面接の2種類があり、それぞれの内容は以下のとおりです。

面接の種類内容
人事課面接・自己PRや志望動機などを聞かれる民間企業の面接に近い形式。
・主に採用担当が実施し、志望者側によるアピールが中心。
原課面接・人事課以外の職員が、自らの業務内容について説明しつつ面接を行う。
・実際の勤務フロアで面接を行い、志望者側による質問が中心。

人事課面接では説明の主体は志望者であり、準備してきた志望動機や自己PRがチェックされるのに対し、原課面接は業務説明の色合いが濃く、その場での質問力などがみられます。

人事面接を行う人事の採用担当は全体の評価の取りまとめ役で、原課面接の評価が蓄積され、総合的に採用が判断される仕組みです。中には集団討論をやる省庁も一定数あり、志望者の能力をさまざまな手段で図ろうとしていることが分かります。

また、国家総合職の官庁訪問の流れとして、以下のように一日がかりで選考が進んでいきます。

時間出来事
8:30受付
9:00入口面接(就活状況や興味分野の聞き取り)
10:00原課面接1(A分野の職員)
13:00原課面接2(B分野の職員)
15:00人事課面接(人事課採用担当の職員)
18:00原価面接3(C分野の職員)
20:00出口面接(人事課の職員が評価や次回の訪問時間などを伝える)

多くの省庁では、当日8:30頃に受付が行われ、9:00頃に入口面接があり、その後夕方頃まで何回も面接が行われます。

国家総合職の官庁訪問は週単位・一日単位でみても長期戦になるため、流れを把握して綿密に予定を立てることが重要です。

なお、上記はあくまで一般的な面接内容や流れであり、省庁によっては人事課面接と原課面接が明確に分かれていない場合もあります。志望する省庁の採用ページなどをチェックして、省庁ごとの特徴をできる限り押さえておきましょう。

参照:人事院「2024 年度総合職官庁訪問ルール(概要)」

国家総合職の官庁訪問の難易度・倍率

国家総合職の官庁訪問全体の倍率は例年3倍ほどで、厳しい試験に合格した方でも内定を得られない場合が多いことから、難易度の高い選考といえます。

人事院の発表によると、国家総合職試験の合格者名簿のうち採用者数と倍率は以下のとおりです。

試験の種類合格者名簿記載数採用者数倍率
総合職(院卒)6222482.6倍
総合職(大卒)14234673.0倍
参照:人事院「令和4年度 年次報告書」

表のように、直近でも国家総合職の官庁訪問の採用倍率は院卒・大卒ともに全体で約3倍です。また、人気のある省庁には訪問者が集中し、実質的な倍率が5倍~10倍になるケースも少なくありません。

難易度・倍率が高い面接を突破するためには、本記事で解説する落ちる理由や評価ポイントを把握して、万全の対策をすることが不可欠といえます。

国家総合職の官庁訪問で採用される人の学歴

国家総合職の官庁訪問は難易度・倍率は高いものの、採用者の学歴をみてみると、都会・地方をさまざまなレベルの大学の方がいます。そのため、自身の学歴を理由に国家総合職を諦める必要はありません。

各省庁の網羅的なデータはありませんが、内定者が学生向けに出しているパンフレットには採用された学生の出身大学が書かれていることが多くあります。

例えば、環境省の総合職・事務系の採用パンフレットをみると、以下の大学出身の内定者を確認可能です(※)。

横浜国立大学、神戸大学、千葉大学、関西大学、国際基督教大学、東京外国語大学 など

東京大学や京都大学などの出身者が固まっているイメージをもたれがちですが、近年はより多様化が進んでいるのが実態です。

国家公務員として活躍したい想いがあれば、大学を気にせずにチャレンジしてみることをおすすめします。

※参照:環境省「総合職事務系:内定者の声

国家総合職の官庁訪問の人気・不人気省庁

国家総合職の官庁訪問における人気・不人気省庁を図る明確な基準はありません。

一つの目安として、以下の5大省庁と呼ばれる省庁は、東京大学の学生が訪問する割合が高く、人気省庁とみなされることがあります

5大省庁
  • 財務省
  • 経済産業省
  • 警察庁
  • 総務省(自治)
  • 外務省

また、例えば厚生労働省や文部科学省、国土交通省などは、扱う分野が生活に密接に関わるため関心を持たれやすく、倍率でみれば5大省庁を上回ることがある人気省庁です。

このような人気省庁に対して、比較的倍率が少ない傾向にあり、官庁訪問で第2クールから訪問しても採用される可能性のある省庁は、不人気省庁といわれることがあります。

具体的には、法務省や人事院、財務省財務局などは、第2クールからの訪問でも採用実績が一定数あり、難易度だけでみれば不人気省庁に当たります

しかし、各省庁の採用難易度や訪問者数は年によって大きく変わるため、人気省庁・不人気省庁かどうかを訪問省庁の判断材料にすることはおすすめできません。

入省後にやりがいをもって働き続けるためには、自身の志望動機と各省庁のミッションの整合性などを重視して訪問省庁を選びましょう。

官庁訪問前に押さえるべき国家総合職の業務の特徴

効果的な面接対策を行うため、官庁訪問前に押さえるべき国家総合職の業務の特徴は以下の3つです。

  • 省庁内外の多くの人と関わる仕事である
  • 自分の中に働くための軸があるから続けられる
  • 未知の分野を積極的に学ぶ姿勢が求められる

面接でみられているのは国家公務員として活躍できるかどうかであり、ゴールを把握すれば的確な準備ができるようになります。

それぞれ詳しくみていきましょう。

省庁内外の多くの人と関わる仕事である

国家総合職は、他の採用区分と比べても特に省庁内外の関係者とのやりとりが必要な仕事です。文章の作成や調査が中心と思われがちですが、実際には周りの人と関係を作りながら進める業務が多くあります。

例えば、実際に働く中で人と協力して仕事する例として、以下が挙げられます。

国家総合職が人と関わり仕事する例
  • 省庁内の同じ課や隣の部署、ときには目上の人に発注をして作業や調査をしてもらう
  • 外部の自治体や企業、団体などに政策を紹介し、納得してもらう
  • 一般の方からの厳しい意見を受け止めながら、国の立場を分かりやすく説明する

自分だけで完結する仕事はなく、コミュニケーション主体の仕事であることはもっとも重要なポイントです。

自分の中に働くための軸があるから続けられる

国家総合職は忙しくプレッシャーが大きいため、国家公務員として働くための軸となる考えがあるからこそできる仕事です。

近年、就職は売り手市場であり、残業時間が多く年収の伸びも限界がある国家公務員として頑張り続けるのは容易ではありません。

仕事に対して大切にする軸は人それぞれですが、例えば以下のようなものがあります。

仕事として大切にする軸の例
  • 政策の現場の最前線で働くやりがいや誇り
  • 自分が働く省庁がもつ役割への強い関心や思い
  • 公務員として信用があり、多くの人と関わりを持ちやすいこと
  • 職業が社会的に評価されるものであること

仕事の中で大変なことがあっても、自分の中でのビジョンや思いがあればやりがいをもって働き続けられます

未知の分野を積極的に学ぶ姿勢が求められる

国家総合職は、自身の専攻や得意分野とは異なる業務内容を常に学ぶ姿勢が求められる仕事です。数年単位で部署を異動することが多く、異動する度に急いで法律や政策を学び、実務担当者として活躍することが求められます。

例えば、筆者は公務員時代、具体的に以下の手段で異動先の分野を学んでいました。

未知の分野に関する学び方の例
  • 所管する法令を参照しながら、部署の役割や責任を正確に把握していく
  • 分野に関する基本書や最新のニュースを多く読み込んで詳しくなる
  • 有識者(大学教授など)やシンクタンクの出す論文・レポートを定期的に読む
  • 統計分析などの専門的な知識が必要な場合は、基礎から勉強を始める

国家総合職として高いレベルで実務をこなすためには、どんなことにも興味をもてる好奇心の高さが不可欠です。

国家総合職の官庁訪問で落ちる理由

国家総合職の官庁訪問で落ちる理由としては、以下が挙げられます。

  • 他人との接し方に不安要素があるため
  • 志望や経験に関して納得感のある説明ができていないため
  • 聞いたことを理解する力や発展させる力が不足しているため

実際に官庁訪問で多数の訪問者を面接・評価してきた元面接官の視点から、それぞれの理由を詳しく解説します。

他人との接し方に不安要素があるため

国家総合職の官庁訪問では、面接の際の話し方や聞き方など、他人との接し方に関する不安要素からマイナス評価を受けることがあります。

国家総合職は多くの人と接しながら仕事を進めるので、人としての信頼感や誠実さが重要です。

例えば、面接で以下のような要素がみられると、印象が悪くなる可能性があります。

接し方に不安要素がある例
  • 質問の趣旨を理解せず、関係ないことをだらだらと話している
  • 分からないことを知ったかぶりして乗り切ろうとしている
  • 極端な緊張感や表情の固さが現れている
  • 細かいところでマナーの悪さや不誠実さが出てしまっている

面接官目線で考えてみると、志望者に対して高い評価をすることは、自分の後に面接する上司に「この志望者は問題ない」と報告することです。

そのため、上記のような振る舞いをする訪問者は上司に会わせられないと判断され、評価されにくいといえます。

志望や経験に関して納得感のある説明ができていないため

国家総合職の官庁訪問において、自身の志望理由やこれまでの経験に関して説得力のある説明ができていないことも、マイナス評価の理由の一つです。

国家公務員を目指すのは何かしらの強い理由があるからであり、面接官はその中身を詳しく聞きたいと考えています

例えば、以下の場合には減点対象となる可能性があります。

納得感のある説明ができていない例
  • 志望理由が自分の価値観や経験としっかり結び付けられていない
  • 複数の省庁や進路を検討中なのに、無理な理由で第一志望だと答える
  • とにかく入省したいから、浅い根拠で「頑張れるPR」をしている

また、理屈を立てて説明するのは国家公務員として活躍する基礎的な素養なので、こじつけたように聞こえる説明は能力の低さと捉えられます。

聞いたことを理解する力や発展させる力が不足しているため

国家総合職の官庁訪問では、原価面接で職員から聞いたことを理解する力や発展させる力が足りていないことも、マイナス評価になる理由の一つです。

総合職をはじめ国家公務員は未知の分野に取り組む機会が多く、日々積極的に学ぼうとする姿勢が重要だからです。

どんなに下調べをして想定問答の準備をしても、その場で出された話題に対して柔軟に対応できないと高く評価はされません

特に、職員の話した内容を深く理解せず一般的な質問をしてしまったり、議論を深める方向で自分の意見を言えなかったりすると、採用後にも活躍できないと判断されてしまいます。

国家総合職の官庁訪問でプラスに評価されるポイント

国家総合職の官庁訪問でプラスに評価されるポイントは、以下の3つです。

  • 一緒に仕事をしたくなる人間的魅力が感じられる
  • 国家公務員を目指す思いについて一貫性のある説明ができている
  • 好奇心の高さを感じさせる主張や質問ができている

評価軸を理解して、自己PRや志望動機を作成する際の参考にしましょう。

一緒に仕事をしたくなる人間的魅力が感じられる

国家総合職の官庁訪問では、やりとりを通じて同僚として一緒に仕事をしたくなる魅力が感じられると、高評価が大きく近づきます。

魅力があれば他者に対して円滑に仕事をお願いできて、夜遅くまでチームで国会などの対応をしても全体の士気を上げられるためです。

例えば、筆者がともに働いた国家公務員の同僚が持っていた魅力には、以下が挙げられます。

一緒に仕事をしたくなる人間的魅力の例
  • 上司や外部からの厳しい指摘を真剣に受け止めつつ、明るく前向きにやりとりできる
  • プレッシャーがかかる中でも、ユーモアや余裕があって一緒にいて苦にならない
  • 一つひとつの成果物や言葉づかいなどから、信頼性や誠実さがにじみ出ている

人間的魅力は誰しもが持っているものであり、その魅力を面接でしっかりと表現できることがポイントの一つといえます。

国家公務員を目指す思いについて一貫性のある説明ができている

国家公務員の志望動機に関して、自身の経験や考えと紐づけて一貫性のある説明ができていると、国家総合職の官庁訪問でプラスに評価されます。

近年、国家総合職を含む若手国家公務員の離職率が高まっており、仕事が大変な中でも働き続けられる軸があるかどうかは重要なポイントです。

例えば、以下の点を深掘りして考えると、面接時の説明に厚みが出ます。

国家公務員を目指す思いに関する深掘りの例
  • 数ある職業の中で国家公務員はどういう立場か、なろうと思ったきっかけは何か
  • 自身がもつビジョンと志望官庁はどう結びついているか、何をきっかけにそう思ったか
  • つらい中でも頑張り続けられる根拠は何か、なぜその思いを持つに至ったか

説明をする際には、誰でも言える一般論ではなく、経験に基づいてなぜ自分がそう思うかを必ず添えることが大切です。

また、仮に訪問先が第一志望の省庁でなかったとしても、説明の内容から志望する省庁に一貫性が感じられれば、しっかりと評価されます。

好奇心の高さを感じさせる主張や質問ができている

国家総合職の官庁訪問では、面接のやりとりを通じて好奇心の高さを印象づけることも重要なポイントといえます。

好奇心の高さを過去のエピソードから説明するだけでなく、実際の振る舞いによって自然と面接官に伝えられれば、説得力が増すためです。

例えば、自分にとって未知の分野で働く職員との面接をお願いする、職員の業務やキャリアに対し興味を持って積極的に質問するなどが挙げられます。

特に原課面接は職員が業務の合間にやっており、面接の際に「部下として話していて違和感がないか」といった視点が自然と入り込むことが特徴です。

そのため、まさに部下になったつもりで職員の意見を聞きし、新鮮な視点で意見や質問を繰り出せれば、自然と高評価につながります

国家総合職の官庁訪問に向けた対策

国家総合職の官庁訪問に向けた対策には、以下が挙げられます。

  • 立ち居振る舞いを整えつつ自分の魅力を掘り下げる
  • 省庁の説明会やOB訪問を通じて業務への理解度を上げる
  • 政策や業務に関する説明・意見交換に慣れる
  • 模擬面接を通じてフィードバックを受ける

それぞれ詳しくみていきましょう。

立ち居振る舞いを整えつつ自分の魅力を掘り下げる

人と関わる機会が多い国家総合職だからこそ、官庁訪問では自分の人間性を誤解の無いようアピールすることが大切です。

特に、自分では気づかないちょっとした癖や話し方によって、「多くの人と仕事するのが難しそう」と判断されてしまう可能性があります。

また、自己分析の不足や緊張が理由で、本来の魅力を伝えられずに面接が終わってしまう残念なケースも少なくありません。

具体的な対策には、以下が挙げられます。

人間性が伝わるようになる面接対策の例
  • 信頼できる周囲の人から遠慮なくダメ出しをしてもらう
  • 自分がこれまで他人から高く評価されてきた性格を整理する
  • 難易度が高い民間の面接を受けて練習する

思考力や熱意だけでなく、人間性や雰囲気も大いに評価されていると強く自覚して、自己分析と面接練習を重ねましょう

省庁の説明会やOB訪問を通じて業務への理解度を上げる

国家総合職の官庁訪問では、全体向けの省庁説明会や個別のOB訪問などを通じて、面接までにできる限り業務への理解度を上げることも大切です。

パンフレットには職員の抽象的な理念や想いが書かれていますが、日々なにをしているかなど業務のイメージは湧きません。業務レベルで細かく理解してこそ、自分の志望理由や活躍できる理由を分かりやすく説明できます。

特に、面接官の評価軸の一つは「一年目の職員として活躍するイメージがみえるか」です。そのため、係員が普段どんな仕事をしているか細かく理解すると、PRすべき強みや経験が見えてきます

説明会などへ積極的に足を運んだこと自体もPRできるので、できる限り訪問することがおすすめです。

政策や業務に関する意見交換に慣れる

政策や業務に関する意見交換する練習を普段から積み重ねて慣れることも、国家総合職の官庁訪問を突破する対策の一つです。

意見交換は慣れていないと難しく、せっかく好奇心があっても適切な議論や質問ができない可能性があります。慣れる機会として、例えば以下の取り組みが挙げられます。

意見交換に慣れる機会の例
  • 省庁が開催する政策シミュレーションに参加する
  • 国家公務員を志望する友人とのやりとりやコミュニティなどを活用する
  • 普段からニュースなどをみて、「もし自分の考えを聞かれたら」と仮定してシミュレーションする

官庁訪問で議論する際のポイントは、政府のやっていることをなぞるのではなく、他の政策手段はないか、よりよいアイディアはないかなど掘り下げることです。

政策の議論はすぐには慣れないので、日々コツコツと練習を重ねることで、本番でスムーズに話せるようにしましょう。

模擬面接を通じてフィードバックを受ける

国家総合職の官庁訪問に向けては、模擬面接を通じて面接シートや受け答えのフィードバックをもらうことで対応力が高まります。

志望動機や自己PRの違和感は自分だけではなかなか気づかず、いくら努力や準備をしても必ずしも評価されません。

公務員予備校や内定者にフィードバックを頼むのが一般的ですが、できれば同じ大学出身の現職の方など職員目線で話してくれる人がおすすめです。

自身で相手を見つけるのが難しい方には、本メディアの筆者が個別サポートのサービスを提供しています。練習を重ねて自信をもって官庁訪問に臨みたい方は、ぜひ以下のリンクから詳細をご覧ください。

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国家総合職の官庁訪問は万全の準備をして突破しよう

国家総合職の官庁訪問は、採用者の学歴にバラツキはあるものの、難易度・倍率が高い面接試験であり、万全の準備をもって臨む必要があります。

特に、立ち居振る舞いはもちろん、自身のキャリアに関する納得感のある説明や、議論を発展させる姿勢は重要なポイントです。

面接の準備にあたっては、省庁の説明会を通じて情報収集しつつ、現職の国家公務員や面接官の経験者にフィードバックをもらう必要があります。

官庁訪問を突破して国家公務員として活躍する未来を掴み取れるよう、ぜひ本記事の内容を実践してください。

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この記事を書いた人

筆者は新卒から国家公務員を約7年間勤め、政策の企画立案・調整、調査研究、国会の対応など多岐にわたる業務に取り組んできました。

現在はフリーランスとしてチームを組んで受託事業を中心に取り組みつつ、自身のビジネスも幅広く展開しています。

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